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第5世代 BW期 -レート環境の開幕-【ポケモン対戦の歴史】

第5世代初期(BW

レーティングバトル実装

・最終進化系75種追加

ポケモンの世代間移動が実装

トリプルバトル開始、天才と奇才の巣窟に

・特性や仕様変更が行われる

・新技の追加、技威力の修正(イカサマ、アクロバットちょうのまい等)

・新たな道具の追加(各種ジュエル、しんかのきせき

・新たな特性の実装(いたずらごころ、イリュージョン、じしんかじょう等)

夢特性の実装 マルスカイリュー、かそくバシャーモ、ポイヒグライオン等)

 

技やポケモンが多数追加され、従来にない強特性やタイプ構成を持つポケモンが多数登場した。特に、新規追加されたポケモンは尖った種族値を持つポケモンが多かった。

(例)アーケオス H75 A140 B65 C112 D65 S110 ローブシン H105 A140 B95 C55 D65 S45

   シャンデラ H60 A55 B90 C145 D90 S80  

   ウルガモスむし・ほのお】   ナットレイくさ・はがね/てつのトゲ

   ブルンゲルみず・ゴースト/のろわれボディ

しんかのきせきの登場により、おもに耐久型の進化前ポケモンが対戦に使用されるようになると同時に、「害悪」と言われる強力な戦術が多数登場した。耐久上昇に伴って「数値受け」の概念が生まれ、タイプ相性+数値受け+無限に状態異常と一撃技を絡めた「受けループ」が登場した。ラッキーやグライオンの専用対策が施されるようになるなど、当時は環境を激変させるほど猛威を振るった。

技の威力が大きく上昇するアイテムの追加が目立った。各タイプの技威力を1.5倍にする「ジュエル」の登場は、役割破壊の戦術や技選択の幅を広げた。特に、「アクロバット」という技がアイテム消費で威力110になり、なおかつジュエル補正がかかる仕様であった。また、めざめるパワーにも各種ジュエルが対応し、特殊型の範囲や確定数の向上に一役買った。そして、 ジュエルは「ノーマルジュエル」もあったため、だいばくはつを1.5倍で打ってくるヤンキープレイも見受けられた。

いたずらごころ」という超強力な特性を備えたポケモンの登場により、でんじはが大流行して回避率を上げる運ゲー的戦術が普及した。また、無効化がほぼできない無限戦術を、単体または組み合わせで行えるポケモンキノガッサグライオンユキノオートドゼルガ等)が環境に多数登場した。そして、この当時大流行したキノガッサが眠り状態から無限戦術を展開してくるうえ、眠りは交代するとリセットされてしまうので、「ねごと」持ちが必須であった。

このときの天候は書き換えない限り永続であった。そのため、天候パーティが上位を占めるようになった。それに伴い、単体のタイプ相性を寄せ集めるのではなく、崩すことをメインにした「組み合わせ」を考える構築方法が主流になった。この影響でメタゲームが加速し、特定のポケモン+特定の組み合わせを対策しなければ、涙を吞むこととなった。

個体値、高火力化した環境だけでなく、その中に天候ギミックを備えた構築が上位にいた。大流行したバンギガブは、バンギラスで砂嵐を起こして電磁波を撒き、すながくれで回避率を上げたガブリアスでみがわりを残し、剣の舞を積んで全抜きする構築であった。また、ユキトドと呼ばれたギミックは、一度トドゼルガがあられ状態でみがわりを置くと、あられのダメージで削りきられてしまう強力な戦術であった。BW期終盤に出た脱出雨は、雨に出てきやすいポケモンをスカーフパルシェンで倒し、起点になりやすいニョロトノをクッションにして、雨下キングドラの行動回数を増加させて高火力で押し切るという強力なものであった。ギミックには無限を起動するものや、スリップダメージで後続の範囲に入れるなど、ギミックが見破られにくく安定しているほど高レートを誇っていた。

強力な積みポケや特性かそくが流行した。特に、加速バシャは改造してまで入手しようとするものが後を絶たなかった。積み技の強さが見直されりゅうのまい」や「つるぎのまい」、「めいそう」を使ったものに加え、ぶっ壊れ積み技「からをやぶる」「ちょうのまいが立ちはだかった。大きく火力を上げたり、耐久やすばやさまでをも同時に上げてくるポケモンが多数追加され、「起点作り」の考え方を生んだ。壁構築や「ウルガモス」「ローブシン」「パルシェン」をはじめとした積みポケが脚光を浴びた。

レーティングバトルが実装され、切断が横行したことでちょっとした炎上等があった。話によると、上位の方でもレート除外されない程度に勇気の切断をしていたようである。度重なる切断により大会のランキングから除外される人がいたり、「切断厨」という言葉が生れて晒すためのスレッドが立つなどなど…。荒れに荒れていたレート環境であった。一方で、対戦環境がゆるめであり、マイナー使いやイーブイズ使いも一定の成績を収めていた楽しい時期でもあった。

夢特性という隠れ特性が追加されたことで、一気に力を伸ばして環境入りしたポケモンがいた。ポイヒグライオンや加速バシャーモが典型。

トリプルバトルは天才的な発想に基づく型の開発、常識外れの調整力を有した者たちの巣窟となり、レベルの高いバトルが繰り広げられた。

そして、ストーリーではライバルがガチホモであった。

 

<あの頃強かったポケモン

 ガブリアス

文句なしのトップメタ。はがねに弱くないドラゴンが強いということを知らしめた、偉大なポケモン。高種族値、高火力で広い技範囲、組み合わせやすい特性すながくれ、絶妙なS種族値102、優秀な積み技で、BW主人公との呼び声も高かった

ハチマキ型は大半のポケモンを消し炭にできる火力で、後世まで耐久調整の指標に用いられた。スカーフ型は削っておけばほとんどのポケモンが確定圏内に入ったため、積みストッパー+スイーパーとして多くの構築に入った。

 ラティオス

こちらも文句なしのトップメタ。眼鏡りゅうせいぐんはハチマキガブリアスをしのぐ高火力、耐久調整の一つの指標となった。

めざ炎での役割破壊、豊富な特殊技、最強技でんじは、S種族値110と全くスキがなかった。不意の壁張り+おきみやげ、流星群受けの交換読みでみがわりなどもしてくるため、非常に厄介だった。

 バンギラス

種族値、高耐久であらゆる仕事をこなす。豊富な補助技で後続のサポートをしたり、特殊型で奇襲を仕掛けてきたり、スカーフで上から落としに来るなど、天候だけでなく常に油断ならないポケモンだった。

 キノガッサ

ローキックで素早さを下げてキノコのほうしで眠らせ、ポイズンヒール+みがわりで無限を仕掛けてくる害悪ポケモンの代表格。たまにみがわり+気合パンチのロマンを追及してくる猛者もいた。

対策しないとまず勝てないため、最速ガッサのS実数値134は素早さ調整の目安とされた。単体性能が低いため、対策されるとあっさり落ちる。

 ハッサム

優秀な積み技と高火力の先制技を複数持ち、ハチマキや珠で運用されていた。終盤にハッサムを止めることは難しく、削られた状態で対面させられたり、起点を作られると全抜きされる。しかも、ハチマキで高火力のとんぼがえりを打ってサイクルを回してくることもあるため、対処が難しかった。

ラティアスガブリアスと組んでいることが多く、起点を作られたり削られてから対面することとなるため、何もできずにやられた人も多いのではないだろうか。

はがねタイプの役割を遂行するほどの耐久はないため、対ハッサムではいかに不利対面を作らずに圧力をかけるかがカギとなった。

 カイリュー(マルチスケイル+竜の舞)

HP満タンなら、実質常時両壁状態+しんそく持ちという究極兵器。4倍弱点を持ちながら、冷凍ビームを平然と耐える姿に全米が泣いた

たいてい行動を許してしまうため、舞ったカイリューを止めるためのはがねや数値受けが多数採用された。当時高レートの人は、竜の舞カイリューの使い方が本当に上手だった。命の珠やドラゴンジュエルを持たれると、だいたいのポケモンが吹き飛ぶ。ラムのみででんじはをケアしてくることもあり、止まりにくかった。

 カバルドン

削りに特化した起点づくりのポケモンDに振って特殊弱点技を耐えて起点を作れるようにした構築が多かった。あくびのループは一度入ると抜け出せないが、ガッサ対策の寝言が流行しており、雨構築がいたためはびこっていたために、カバルドンの潜在能力はまだ開花していなかった。

 ドリュウズ

恵まれた種族値を持ち、広い技範囲、特性すなかきでS2倍。流行していた高速高火力を上から落とせるうえ、つるぎのまいで火力を一気に上げることができた。珠持ちは手が付けられず、永続天候下でガンガン落とされて何度絶望したことか。 抜きエースとしては、まさに一番の実力を誇っていた。

 

 マンムー

広い効果抜群範囲、当時ガブカイリューをはじめトップメタに軒並み刺さっていたこともあり、補完として構築に入ることが多かったポケモン。タスキ持ちがほとんどで、行動回数が保証されていたため確実に役割を果たしてきた。苦手な相手が明確で、呼びやすいうえに止まりやすく、パルシェンの起点にされることも。それを見越した吠える搭載型もわずかながら存在した。

 スイクン

並いる準伝説の中でも、配分がわりと研究されていたポケモンHBベースは高耐久を生かしてめいそうからの抜きを狙い、HSベースはみがまもを駆使して削ったりPPを枯らすなどしてきた。同タイプのポケモンと比べても対トップメタ性能が高く、落ちにくいうえに抜き性能が高いため、多くの構築に入った。HGSSで捕まえる必要があるため、乱数調整やおしゃれボールの確保に手間がかかり、乱数難易度が高いポケモンであった。

改造が横行する原因となった、絶対零度スイクンも今や懐かしい存在。

 サンダー

高耐久、高火力でトップメタに刺さった。強い人はサンダーを入れていた覚えがあり、配分やめざめるパワーによって立ち回りが変化した。補助技も強く、回復技やサイクルを回す技を備えており、単体性能がとても高かった。前世代の教え技のねっぷうが

 バシャーモ(かそく)

夢特性で使用率も加速し、バシャをエースとする様々な組み合わせが考案された。高いA種族値、タイプ一致威力120以上の技を2つ、優秀な技範囲に加えてつるぎのまいが使える。そして何より、何もしなくても素早さが上がる凶悪な特性が活躍を後押しした。単体の抜き性能だけで見れば、間違いなくトップ。ただ、低耐久に加えて反動を受ける技が多く、そのほどんどが接触技で、サブ技の威力が低いので全抜きできないこともある諸刃の剣。

 ユキノオー

永続あられやヤドリギの種、必中ふぶきによって削りに特化したポケモン。天候ポケモンにタイプで有利をとれており、ユキノオーの削りから展開する様々な組み合わせが生まれた。特に、ユキ+トド、ノオー+ガブ、ノオー+バシャは大会でもレートでもよく見かけた構築であった。

 ラッキー

別名「ピンクの悪魔」。特殊はどんな攻撃でも楽々耐え、地球投げやでんじは、どくどく、みがわり、果てはカウンターやちいさくなるまで繰り出してくる始末。特殊格闘がほぼいない環境でさらなる追い風、受けループの特殊受けを一手に引き受けた。そのため、受けループはラッキー+物理受け2枚という組み合わせで爆アドを稼いできた。

 グライオン

無限といえばグライオン。どくどくやでんじはが撒かれていると、みがわりを残して全抜きを仕掛けてくる害悪ポケモン。弱点がはっきりしているうえ、ラッキーとの相性補完に優れており、ラキグライは対策必須の組み合わせとなった。

 ポリゴン2

しんかのきせき持ちの物理数値受けが流行し、たいていの攻撃を2耐えして何かを仕掛けてくる。弱点が極端に少なく、構築の潤滑油として入っていることが多かった。また、ダウンロードを用いた高火力型、ウルガモスラティオスをメタった恩返し型もいた。高速高火力の切り返しとして、トリックルームを搭載した型も大会等で良績を残した。そして、ポリゴン2の系譜は今もなお現役である。

 ニョロトノ

夢特性あめふらし」を得た、唯一無二の雨構築始動役。独特な補助技を持ち、ゴツメ型や眼鏡型、スカーフ型が使われていた。しかし、【加糖雨】の出現によって事態は大きく変わる。環境の中でも、雨パは天候の取り合いに弱く、しかも先発が読まれやすいためニョロトノが落とされてキングドラの行動回数が稼げない傾向にあった。加糖雨は、ニョロトノをクッションにして脱出ボタンを持たせて後続に置いた。代わりの先発にパルシェンを置き、ニョロトノの阻害要因を一掃した。ニョロトノを後出しして脱出させ、ノータイムで雨キングドラとの対面を作るという神構築であった。当時は勝率9割という、夢のような成績を叩き出していた。

 キングドラ

絶対的雨エース。こだわり眼鏡ハイドロポンプは後出しで受けること自体無謀であり、等倍であればほぼすべてのポケモンが吹き飛ぶ。

ただ、単体性能が低く、こだわりアイテム持ちがほとんどで技範囲も狭いため、天候を奪ったり一貫打点として水技を打てない状況を作られると止まりやすかった。見た目もカッコよく、雨パにあこがれた人は多い。

 キングドラ(物理型)

りゅうのまいげきりんたきのぼり、みがわり、流星群@ラム、珠、ジュエル

天候が取られたときでも活躍できる竜舞型。技範囲が広く、同時にガッサ対策も行えるため一時的に増えた。ただ、そこまで単体性能が高くないので、構築単位で慎重に運用するべき難しいポケモンだった。強い人が使うととにかく強い。

 ウルガモス

ちょうのまいを駆使して、大暴れしてきた。一度積まれると耐久も上がるため倒しにくくなり、もともと高いC種族値で様々な特殊技を打ち分けてきた。ドラゴンが苦手な物理数値受けやはがねタイプを起点にできるため、多くの構築で採用された。

 ウォッシュロトム

天候を持つポケモンに強く、サイクル性能が高く、補完枠として多くの構築に採用された。

命中不安定技や無効タイプがある技に頼らねばならなかったため、トップメタになるわけではなかった。ロトムハイドロポンプは本当によく外れる気がする。

 ボルトロス

ラティオスを1だけ抜けるS実数値、補助技を先制で打てる特性「いたずらごころ」と最強技「でんじは」によって、一躍トップメタに躍り出たポケモン

高い先発性能とストッパー性能を持ち、あらゆる構築に入った。めざパをはじめ、メタに対する役割破壊技が豊富で、自由な展開を許すと壊滅待ったなし。ちょうはつやボルトチェンジ、とんぼがえりによるサイクル性能もあり、痒い所に手が届く便利なポケモン。乱数調整がとてつもなく面倒で、何度も泣きそうになった。

 ローブシン

優秀な耐久と先制技、積み技を持つポケモン。鋼タイプに強く、ラティオス等の攻撃を耐えるため、確実に何かしらの行動をしてきた。

ビルド+ドレパン@オボン型は補完として優秀で、こんじょう@火炎玉型は異常なまでの突破力を有しており、全抜きも狙える性能であった。しかし、BW期は技範囲が狭くなりがちで、エースとまではいかないポケモンでもあった。